2018年8月21日(火)、モンベルサロン御徒町店(台東区)で、女性防災ネットワーク・東京” 2018キックオフ・イベント ~多様な視点でつながりづくり~が開催され、100人近くの方に参加頂きました。
性別や子育て、福祉、障害、多文化共生など、多様な視点に立った防災学習・人材交流を通して東京の防災をもっと豊かにしたい!そんな思いで立ち上がったネットワークのキックオフ・イベントの様子をご報告致します。
参加頂きました皆様、そして運営にご協力くださいました皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。
(写真) 女性防災ネットワーク・東京 アドバイザー 池上 三喜子ご挨拶
1. はじめに なぜ多様な視点が防災に不可欠なのか?
女性防災ネットワーク・東京の呼びかけ人の浅野幸子(減災と男女共同参画 研修推進センター)より、次の通り報告がありました:
日本では災害時に多様な視点を持つ必要があります。例えば災害時における性別役割の強化については、社会的インフラがストップすると女性たちへのケアの負担が増大することが課題とされてきました。
災害の被害の大きさを決めるのは脆弱性と復元回復力です。被害を受けやすい人たちにおいては被害が拡大しがちで復興が遅れがちです。ですから、脆弱性をいかに少なくするかが災害時の対応を左右します。
また、復元回復力を持つ地域社会では、初期消火のような発災直後の対応に加え、地域の助け合い力があります。
これまでの取り組みでは、1994年に第一回国連防災世界会議で防災において女性や社会的に不利な集団の参加を奨励するという横浜戦略が採択されました。第三回国連防災世界会議に至るまで、多様性と防災における国際的な動向が共有されています。
2. トーク&トーク
はじめに、女性防災ネットワーク・東京の呼びかけ人のあんどうりす(アウトド
ア防災・子育て目線の防災実践)が、「すべての人とつながれるのが防災。ダメ
だしですでに弱っている親たちには脅しではなくエンパワーメントする支援が重
要。防災を日常のなかの常識にして行こう」と話しました。
続いて福祉防災の立場から鍵屋一さん(跡見学園女子大学)が、「自助、共助、
公助とあわせて、近助が重要。防災は、これまでの男性型のかたい組織での災害
対応から、信頼関係にもとづく、やわらかいネットワーク型の防災へ変わってい
かないといけない」とお話してくださいました。
五位渕真美さん(DPI障害者インターナショナル日本会議)からは、「今日は、車
いすにのる、言語障害のある、介助を必要とする障害女性という、自分のような
人がいること知ってもらうことが大切と思ってきた。車いすで利用できるトイレ
は男女別でないことが多いが、それでよいのか、問題提起したい」と発言があり
ました。
小林深吾さん (一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンター=PBV)か
らは、西日本豪雨の被災地の報告として、PBVの倉敷市真備町での直近の取組み
が話され、「生活の場としての避難所を作っていくなかで大切なことは生活者の
視点。男性も日頃から生活力をつけることが大切」というお話がありました。
最後に浅野が、鈴木直美さんに代わって、女性リーダーが中心となり、暮らし目線での日常的な防災・防犯活動に取り組む日野市・万願荘自治会防災防犯会の取組みを、たくさんの写真とともにご紹介しました。
3. 応援メッセージ
次の方々から応援メッセージを頂きました。
「違う組織・分野の人たちがつながっていくことが大事」「このネットワークに期待したい」「新しい防災の常識をつくっていきたい」など、力強いお言葉を頂きました。
(アイウエオ順)
石塚人生さん( 読売新聞東京本社編集局医療部)
加藤篤さん(日本トイレ研究所)
加藤孝明さん( 東京大学教授 内閣府 災害とジェンダー懇談会 座長)
加納祐一さん(東京ボランティア・市民活動センター 防災担当)
藤原久美子さん (DPI女性障害者ネットワーク)
杉谷 佳美さん (株式会社ヒューマックス)
砂田紀子さん (あみ∞あむ 代表)
中澤幸介(『リスク対策.com』編集長)
中野明安さん (丸の内総合法律事務所)
山本由佳さん (日本気象予報士会サニーエジェルス 代表)
4. 交流会
交流会では好きなところに歩いてそこで出会ったグループ数人で自己紹介を3回繰り返し、大いに盛り上がアっていました。
これからも学習会、交流の機会を皆様とともにつくっていきたいと思います。
(写真) 女性防災ネットワーク・東京 アドバイザー 岡野谷 純ご挨拶
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